●20000313 リチウムイオンバッテリ

 困ったことが発生した。
2645-41Jです。OSはWin2000。
国際事務機器ThinkPad600のバッテリが充電障害となった。
充電を開始させるとすぐに満充電になるが、バッテリ駆動させるとものの1分でエンプティになる。

このノートPCは出張のお供として活躍しているため、バッテリの障害は致命的だ。
このパッテリセルはリチウムイオン2次電池を使用している。

【リチウムイオン2次電池について】

メモリ効果なし、高エネルギのため急速に普及しているリチウムイオン2次電池であるが、セル単体ではなぜか一般店頭で販売しない。

一般店頭で販売しない訳
 (1)専用の充電器を使わなければならない。
 (2)過放電させないような機構が必要である。
 (3)従来の乾電池やニカド電池とは互換性が無い。

(1)専用の充電器が必要な訳
 ノートPC用などの用途では、10V程度の高電圧を必要とする。
 そのため、セルを直列接続させたパック形式となるわけだが、両端子に単純に電流を流すと、セル特性のばらつきにより特定のセルが早く充電が完了することになる。
 そのまま充電電流を流すと早く充電が終了したセルは過充電になりセルの寿命を縮めてしまう。
 そのため、充電回路は単セルごとに状態をチェックするという面倒臭いことをやっているのである。
 過充電となる場合は特定のセルのみ充電を停止させるなどの対策を行う。

(2)過放電させないような機構が必要である訳。
 過放電させると寿命を縮めてしまう。
 セル直列接続のパックでは、セル特性のばらつきにより放電時には特定のセルが早く放電終了となる。
 そのため、セル個別に端子電圧を調べてどれかひとつのセルが放電終止電圧に達したらパック端子のへの出力をカットさせる必要がある。

(3)互換性が無い訳
 単セル電圧が3.6V前後である。ニカド電池の3倍の電圧なのがスゴい。

エレキに詳しい方ならご存知と思うが、上記(1),(2)の回路をバッテリパックに内臓しているものもある。
そうすると、バッテリパックが余計にコスト高になるわけである。

【バラし】

長々と書いたが、上記理由によりリチウムイオン2次電池はオーディーのようなC級の素人が手出し出来ないシロモノである。
今回は素直にスペアを購入することにした。
が、最先端電池制御技術への興味で解析モードに移行した脳ミソは手にマイナスドライバを持つように指令を与えていた。

!DANGER! リチウムイオンバッテリパックは分解すると死亡または負傷する恐れがありますのでやめましょう。

決して開けて欲しくないというメーカの意思がケースの封止方法に表れている。
接着剤で封止されているようで、こじって壊すつもりでないと開かない。
『バリバリ』という音が部屋に鳴り響き、殻割という言葉がふさわしい。

Pナソニック製セルだ。

パックの電圧は10.8Vである。単セルの電圧は3.6Vのため、2並列の3直列接続である。
リチウムイオンバッテリは制御回路と抱き合わせなので、こんな基板も入っていた。



予想以上の規模のパーツだ。基板にはクリスタルが引っ付いているのでMPUが仕込んであることに間違いないだろう。

リチウムイオンバッテリは充放電サイクルを繰り返すと次第に放電容量が減少する。
一般的なサイクル寿命は完全充放電の繰り返して500回と言われているが、500回に到達したからといって、急に使用不能になる訳ではない。(公称容量の半分以上はイケているはず。)
このバッテリは購入後1年半ほど経過しているが、充電後すぐに使用不能になるほどのサイクルに達しているとは到底考えられないのだ。
毎日電源を入れて切っても540回。ただし、完全充放電を繰り返していないので寿命は更に伸びるはず。

そこで何がクサいかというと、上図充放電制御回路の基板である。
ノートPCのバッテリは残量把握のために入出力電力の情報をパック内のメモリに記憶させているはずである。(そうしないとパックを交換した場合の残量把握ができない)

パック内のメモリの残量情報を実際の充放電制御に使っていて、しかしながら単セルの実際の残量が食い違っているために今回の現象が発生したのではないか?

もしそうだとすると回路をリセットすれば何とかなるかなと思い、上図のように基板を外して電源供給を断ったのだが、ペケだった。メモリがフラッシュメモリだとすると全く意味の無い作業である。

そういえば、パナソニックのノートPCにはバッテリリフレッシュ機能があるらしい。
ニカドじゃあるまいし、リチウムイオンでそんなことが必要なのかと思ったのだが、パック内回路の残量値とセルの実残量地を合致させる作業とのことである。
この作業をしないまま使用すると、前述のように充電してもすぐエンプティになることがあるとのこと。
これじゃぁ、ニカドやニッケル水素電池と使い勝手は変わらない。

メモリ効果無しが大きなセールスポイントなのに付帯回路で擬似メモリ効果を作り出している・・・
そしてパックが充電できなければ寿命と判断させる・・・

なんだか、高いバッテリを買わせるためにメーカが儲かる仕掛けになっているような気がするのだが。

今回の出費は2万円+アキバへの高速代2600円也。

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余談であるがオーディーが小学生のころ、ニカドの充電は次の方法で行っていた。
6V1200mAhのパックを、自作の電源装置で3.6Aの20分通電。
途中で手で触って結構熱くなったらおしまい。
こんなアバウトな方法でも特に問題なかったのだ。

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